同族経営の強み・弱みとは?同族経営・ファミリービジネスを行う会社のメリット・デメリット
突然ですが皆さんは「同族経営」、「ファミリービジネス」と聞くとどのような印象を受けるでしょうか?
(同族経営とファミリービジネスは同義です)
もしかしたら閉鎖的でワンマン経営、トラブルが多そう、なんていった悪い印象を持つ方も多いかもしれません。
しかし、ご存知でしょうか?
世の中、特に日本において企業の大半は同族経営で、なおかつ、安定した経営を長期に渡り行っているのです。
このように事実と少し違った印象を受けてしまう理由はマスコミの報道に仕方にあるのではないかと考えています。
同族経営の会社が何らかの不祥事を起こしてしまった場合、マスコミは強いワードを好みますので、「お家騒動」や「親の七光り」といったネガティブな単語を多用します。
すると世間には「同族経営企業=問題を起こしやすい企業」という現実とは少し異なった認識が広まってしまうのです。
たしかに、同族経営には弱み・デメリットも存在します。
しかし、反対に優れた強み・メリットもあります。
そこで今回は同族経営の強みと弱みをそれぞれフラットにお伝えできればと思います!
目次
同族経営の強み・メリット
では、始めに同族経営の強み・メリットの方からお伝えしていきます!
意思決定が早い
同族経営企業は意思決定が早いという特徴が挙げられます。
そしてこれは会社経営において大きなメリットとなります。
通常の会社であれば何らかの意思を伝えるためには多くのプロセスが必要になりますが、その余分な時間を同族経営であれば短縮することができます。
様々な方針に一貫性が出る
同族経営であれば様々な方針に一貫性が出ます。
従業員間の意思の疎通が容易なため方針の擦り合わせもそこまで必要がなく、皆で同じ方向性を見据えることが可能です。
経営方針はもちろん、社内での細かい取り決めのような些細なことでも一貫性が出るため、ストレスフリーだと言えるでしょう。
経営者と株主間に生じるズレがない
経営者と株主間に生じるズレがないという強みは、方針に一貫性が出るという強みと少し重複する部分もありますが、非常に大きなメリットとなります。
通常の会社であれば経営者と株主は違いますので、もし両者間に経営に対する考え方の違いがあった場合、問題が起きかねません。
同族経営であれば、経営者、株主間の問題の心配はありません。
経営者の後継者の育成プランが立てやすい
同族経営の場合、次期の経営者は現経営者の子どもになるケースが多いです。
つまり、その会社の経営を任せることを前提に育てていくプランを立てることができるのです。
人材の確保や、人を育てるためにかかるコストが必要ないので、とても効率的であるといえます。
社会的資本が得られる
社会的資本が得られるというのも大きなメリットです。
本来であれば獲得の難しい、良好な人間関係や価値観といった社会的な資本を同族経営であれば経営者になる以前に得ることができます。
同族経営の弱み・デメリット
それでは次に同族経営の弱み・デメリットをお伝えしていきます!
長期的なワンマン経営には危険性がある
長期的にワンマン経営をしていると、どうしても外部の考え方が入ってきにくくなってしまい、結果的に偏った考え方にとらわれてしまう危険性があります。
会社としては当たり前の方針であっても、外部の人間が見ると異様なものに見えるというケースも考えられます。
このような場合、社内が少し窮屈に感じてしまう、外部との関わりをしていく上で問題が生じてしまうといった危険性があります。
機能的な取締役会がない
同族経営の場合、取締役は身内で固められますので、取締役会は形式的なものになってしまいます。
結果として、会社を俯瞰的に厳しい目で見る機会が少なくなり、身内の甘えのようなものが生まれることもあります。
優れた経営者の排出が難しい
会社を創設、経営した初代の経営者は優秀で能力が高かったとしても、次の経営者となる親族が同じように優秀かと言われると、そうとは限りません。
通常の会社では従業員が切磋琢磨して上を目指しているのに対し、良くも悪くも同族経営の場合、次の経営者は決まっているので、モチベーションを保つことも難しく、経営者の質が下がってしまうことが考えられます。
相続問題は経営に直結する
相続問題に限らずですが、家族間で何かもめごと、問題が起こった際には経営問題に直結します。
これが多くの人がイメージする「お家騒動」であり、確かに危険性は大いにあります。
会社経営者の後継や相続問題ともなると問題が大きくなってしまう可能性は大いにあります。
そしてその問題が経営の基盤に直接影響を与えてしまうため、同族経営が抱える弱みの一つと言えるでしょう。
経営者の信用が会社の信用となる
同族経営の会社というのはどうしても経営者色が強くなってしまいます。
そしてこれは経営者によって良くも悪くもなります。
経営者が近隣の住民からも認められ、支持されていれば会社自体の評価も高いものになるでしょうし、逆に経営者が住民から不満や反感を買うような人物だった場合、会社自体の評価が低いものになってしまします。
まとめ
いかがだったでしょうか?
同族経営に対する印象がもしかしたら少し変わったかもしれませんね。
同族経営の弱み、デメリットをざっと見て頂けるとお分かりだと思いますが、問題はどうしても後継者への切り替わるタイミングのような節目で起こりやすいです。
たしかに、マスコミで多く報道されるような問題を抱えた一面もありますが、一体感があるといったような強み・メリットも多くある経営形態であると言えるでしょう。